【閑話休題】文系の学生は大学で何を学ぶべきか〜ハーバードの学生は日本の2倍の生産性

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管理人

加藤雅久(かとう・がく)

名古屋生まれ(仙台在住)

業務改善・コミュニケーション向上エキスパート

早稲田大学政経学部(政治)卒

MBA(戦略的経営専攻)

英検1級

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加藤雅久です。

NHKの番組で、ティム・アーバンというハーバード大学政治学部出身のブロガーが、「先送りする達人」というスピーチの中で、90ページの卒論を3日間で書き上げたと語っていました。

彼は、なんでも先延ばしする性格で、通常1年かけて書く論文なので、とうとう締め切り間際になってバタバタと書くはめになったという話です。

実は、僕も50を過ぎて、大学院に入り直して、修士論文を書きましたが、実は、大学で論文を書くのは初めてでした。今だから正直に言えますが、提出期限の1ヶ月前から、バタバタと書き始めて、最後はドタバタで、12月中旬の締め切り当日まで、校正している有様でした。

さて、生産性とのからみで、日本の大学教育、といっても文系学部について考えてみたいと思います。

米国大学の卒論は、日本の大学の修士論文並み

ハーバード大学の政治学部の卒論で、ティムは、90ページの卒論と言っていますが、例えば、私が通った東北大の文学部(宗教学)では、学部の学生の卒業論文は、A4用紙で13ページ以上、大学院の修士論文では、明記されていないものの、30ページ以上でした。

A4用紙1ページあたりの文字数は、ワードを使う場合、だいたい1600字(原稿用紙4枚分)ですから、卒論の場合は、2万字以上(原稿用紙だと50枚以上)、修士論文だと、5万字(原稿用紙120枚以上)という感じでしょうか。

英語論文90ページとの比較をする上で、翻訳業界のざっくりした基準を使って、使ってみます。日本語400字を英語に翻訳すると200語(ワード)になるそうですから、英語単語数を2倍すると、日本語の文字数になります。

ティムの論文ですが、A4サイズ1ページで、英語の単語数は、だいたい250語(ダブルスペース)とのことですから、250語×90ページで、22,500語です。2倍した45,000字が日本語換算になります。(注:米国はレターサイズが普通なので、実際にはもう少し少ないかもしれません)

日本の卒論=約2万字 <ティムの卒論(日本語換算)45,000字

日本の修論=48,000字 =ティムの卒論(日本語換算)45,000字

だいたい、ハーバード大学の卒論は、日本の大学の卒論の2倍のボリューム、修士論文と同じくらい分量を書くということになります。アメリカの大学生の卒論のボリュームは、日本の2倍以上ということになります。

生産性とは?

大学は、論文の質、テーマに非常に重視しています。そのために、卒論、修士論文でも、1年とは言わないまでも、9ヶ月くらいの時間軸で、じっくり書いていくという雰囲気です。出来る限り時間を費やして、よりよいものをアウトプットする、というのが大学の考え方です。

一方、企業、社会の要請というのも、実は、大学の考え方と同じで、アウトプットする成果物については、締め切りギリギリまで、できる限りの時間を使って、よりよいものをつくるという考えに、無意識的に従っているようです。

でも、ティムさんの素晴らしいところは、何しろ、締め切り間際に書き始めて、超短時間でレポート、論文を仕上げているところだと思います。これは、効率(生産性)の観点からみて、とても興味深いです。

創造性の必要な仕事、企画、調査にも生産性の観点を取り入れよう

彼には、通常のレポートなら1日、卒論でも3日あれば、単位、卒業できるレベルの「質」のものが書けるという時間のものさしがあったことです。

みなさんの頭の中には、この仕事なら何時間かかる(できる)という時間のものさしはありますか?

大学とは違い、社会人としての人生は長いですので、自らの能力を高めて成長するという観点で、なるべく短い時間で、レポート、調査報告書などを仕上げるという経験を積むのが大切です。

そしてそれを繰り返し続けることで、一定の質を保った成果物が、より短い時間で作成できるようになる=生産性が上がる=のです。

そして、こういう意識を持たない限り、何年、何十年、同じようにやり続けても、文書作成に関して、時間を短くすることはできません。熟達して短くできる部分があっても、必ず、より多くの調査時間に使ってみたり、図表の見栄えを直してみたりして、トータル時間は、新入社員の時と同じということになりかねないのです。

是非、一度、そうした仕事の生産性について、考えてみて戴きたいと思います。

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