良いスピーチとは?〜7つの秘訣(3/3)

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良いスピーチとは何か

良いスピーチとは何かを、内容を相手により良く伝えるという観点で考える手がかりとして、米国の教育NPO団体「トーストマスターズ」が、昨年導入した新しい教育プログラム「Pathways Learning Experience」のスピーチの論評ガイドにある項目を参考にみています。

最終回の今日は、「聴衆の関心・ニーズの把握」と「スピーチの構成」です。

(その6)聴衆の関心・ニーズの把握

これは、聞き手が、話し手であるあなたについてきているかどうかということです。

あなたが、聴衆を惹きつけることに成功し、聴衆のニーズに気づいていれば、会場は一体感に包まれることでしょう。

反対に、聞き手が退屈していたり、スマホをいじり始めたり、居眠り、雑談する人がいたら、あなたの話は、聴衆の関心、ニーズを満たしていないことになります。

関心を惹きつけるコツ

聴衆が関心を失ってします理由は、たくさんあり得ます。

一番は、話の内容がつまらない、あるいは、期待した内容と違う時です。

これは、事前に、聴衆が誰で、何を期待しているかを確認した上で、話す内容を考えるか、あるいは、自分のスピーチ内容を明確にして、その内容に関心のある聴衆にきてもらうしかありません。

ここでは、スピーチの内容と聴衆の関心、ニーズが異なっているわけではないが、話し手のテクニックとして、関心を惹きつけるコツを紹介します。

1.話の冒頭のつかみ

スピーチの冒頭で、米国では、ジョークで聴衆を和ませるというのが普通ですが、日本でも、いわゆる「つかみ」(落語だと、まくら)というのがあります。

つかみには、質問から始める(「皆さんは、◯◯という言葉を聞いたことがありますか?」)、あるいは、話す内容と関係のあるもので、インパクトのある事実を述べる(「地上に降り注ぐわずか1時間の太陽エネルギーは、人類の一年間の消費エネルギーに匹敵する量です」)という方法があります。

2.視線をおくる(アイコンタクト)

アイコンタクトについては、前回述べましたが、聴衆の関心を惹きつけるには有効です。

1対1で話している時のように、視線を聞き手である相手に向けることで、聴衆はあなたに関心を向けるのです。聴衆があなたに1対1で話しかけられているという感覚を覚えるようになるからです。

3.原稿を読まない

話をするのではなく、原稿を読んでいると、臨場感が失われてしまい、聴衆は退屈してしまいます。

できれば、原稿なしで話をしたほうが良いですが、難しければ、

要点をカードか、1枚の紙にまとめて、演台に置いてチラ見する程度にしましょう。

4.聴衆と対話をする

スピーチは、話し手が、一方的に聞き手にメッセージを伝えるものと考えると、うまく行きません。スピーチもコミュニケーションの一つです。そしてコミュニケーションは対話です。

スピーチの中でも、聴衆と対話する場面を入れると、関心も高まりますし、ライブ感も出ますし、会場との一体感も生まれます。

質問をするというのが一般的です。

「人間の臓器はいくつあるか知ってますか?」と聞いて、いくつか回答をもらった後に、「約30あります」という風に繋げる方法もありますし、「こんなことが起きたらパニックになりますよね」と質問というか、同意を得るというようなやり方もあります。

コンサートでもcall and responseという、アーティストと観客とが対話するパフォーマンスがありますね。聴衆の参加意識を高めることで、自分たちに関心を惹きつけているのでしょう。

(その7)興味深い内容と構成

興味深い話

興味深い話かどうかは、もちろん、聴衆が決めることです。

聴衆が前もって、どういう期待を持って、どういう心構えで来たのか?なぜ、この場所に話を聞きに来たのか?という前提が問題ですね。

明治大学教授の斎藤孝さんは、講演会やワークショップで、自分の話す内容は素晴らしいのでと断ってから、「(わたしの話の)どこで泣くかは、皆さんの感性の問題です」「どこで笑うかは、皆さんの知性の問題です」と言うそうです。

つまり、話し手には、聞き手、聴衆のことは、コントールできない部分が必ずあると言うことです。

ですから、できるだけ聴衆に配慮して準備したら、あとは運を天に任せると言う、人事を尽くして天命を待つという開き直りが必要だと思います。

あとは、どんなトピックでも、なるべく、面白い話にするという努力は必要だと思います。

分かりやすい構成

スピーチの構成というと、序論(イントロ)ー本題(ボディ)ー結論という基本構成が一般的です。

しかし、スピーチの中心になる、本題(ボディ)にも、構成が必要です。

構成には、例えば、「時系列」型、「主張ー理由ー証拠(PREP)」型、「比較」型があります。

「時系列」型では、時間の経過に従って情報を配置します。時間や過程の流れに従って情報を提供する最もシンプルな方法と言えます。「まず」「次に」「それから」「最後に」などの接続語で、流れを明確にします。

「主張ー理由ー証拠(PREP)」型では、意見を述べてから、その理由と例をあげます。これは意見を述べる時に使われる方法です。英語では、意見には理由を述べる習慣がありますが、日本語では、しばしば省略されるので、意識して理由を述べて、あなたの意見を説得力のあるものにしましょう。

「比較」型では、2つ以上の事例について、類似点と相似点を情報として配置します。

上記以外にも以下の構成法があります。

  • 「空間」型:地理的要素によって情報を配置する。
  • 「問題解決」型:問題と解決法に分けて情報を配置する。
  • 「原因ー結果」型:ある状況について、原因を述べ、次にその結果について述べる。
  • 「トピック」型:ある問題について、カテゴリーに分けて情報を配置する。

これらは、どれが良いとか悪いとかはなく、状況、内容、目的に応じて、あなた自身が選択すれば良い。また、いづれの方法を選択したとしても、伝えたい情報が組織化され流ので、聴衆は理解しやすい。

話を聞くのは、文章を読むのと違って、目次もないし、先読みもできないので、フォローするのが読むより大変な負担がかかります。

お互いが共有する構成の方法(型)で話すことで、あなたの話を聴衆がフォローしやすくなり、伝わりやすくなるのです。