小中教員支援〜多忙緩和策に効果はあるか?

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加藤雅久(かとう・がく)

名古屋生まれ(仙台在住)

業務改善・コミュニケーション向上エキスパート

早稲田大学政経学部(政治)卒

MBA(戦略的経営専攻)

英検1級

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加藤雅久です。

文部科学省が、小中学校の教員の多忙緩和対策をまとめたという記事を読みました。

残業時間80時間以上の「過労死ライン」に達する教諭が、小学校で34%、中学校ではなんと、58%であり、深刻な状況にあるそうです。

その政策には、部活動指導員7100人配置といった直接的に、残業時間を減らせそうなものもありますが、

それ以外で、教員の事務作業を間接的に支援するものとしては、以下のような政策があります。

  • 外部から、パートタイムの「スクール・サポート・スタッフ」3600人の配置
  • 情報通信システム環境整備
  • 副校長・教頭の負担を減らす事務職員400人の増員

「スクール・サポート・スタッフ」というのは、プリント印刷、掲示物づくり、資料整理などを担当する外部のパートタイマーのようです。

効果はあるか?

一般企業でも、現場が多忙で、仕事が回らないとなると、派遣か、パートタイマーを雇って、事務作業の補助をやってもらおうとなりますよね。私もプロジェクトで忙しい時に、そうしたことがありました。

この支援策に効果はあるのでしょうか?

あるとは、思います。

少なくとも、多忙感の減少には繋がるでしょう。コピーをとったり、資料の整理したりするのを、人にまかせれば、その分楽にはなりますから。

では、残業時間は減るかといえば、疑問は残ります。

正社員と非正規社員問題と同じ構図

教員の方は、本当に大変ですね。

毎日、授業があって、その授業の準備というのがメインの仕事としてあります。部活動の顧問のあるなしは、今、考えないとしても(これは相当根深い問題です)、生徒指導に関して相当の時間(本人、保護者対応、報告など)がとられていると思います。

「スクール・サポート・スタッフ」に依頼するコピーとりや資料整理は、確かに少しは効果があるとは思いますが、依頼できる仕事はかなり限定的で、超忙しい時には、少しは助かる程度じゃないでしょうか。

これは、一般企業において、非正規社員(派遣、パート)を雇用する際にもおこるのです。正社員同士が仕事を分担するなら、ひとりの仕事を二人でやれば半分になりますが、正社員とパートで仕事を分担すれば、秘密保持、権限などの問題で、半々で仕事を分担できないのです。

おそらくですが、成績表の記入を「スクール・サポート・スタッフ」にしてもらうことはできないでしょう。

また、仕事の優先順位的にも、重要度の低いものを、任せることになりますから、本来なら廃止しても良い、または別のもので代用するということなく、仕事の総量は変わらないので、いつまでたっても、効率的な(生産性の高い)仕事の仕方を学ぶ機会も失われてしまいますね。

副校長・教頭は?

学校の現場については全然わかりませんが、副校長・教頭の勤務時間が特に長いのは、学校業務の中の「雑用」、誰もやらない(やれない)仕事のかなりの部分を担当しているということでしょうか?

おそらく、教員の勤務・評価管理、教員への指導、学校予算の管理、学校施設管理、学校イベントの統括、教育委員会への報告、各種調査のとりまとめなど、毎日毎日、年がら年中、息つく暇もないという状況だと推測されます。

もし、事務職員が副校長・教頭のサポートをするとしても、できる範囲は限られているし、そのサポートで生み出された時間も、他の「雑用」で使われてしまい、勤務時間の長さは変わらないでしょう。

つまり、あるだけの時間を目一杯使って、業務をこなすことが、職業倫理だと信じている限りは、長時間勤務はなかなか是正しないということです。

副校長・教頭が、一番、自分の仕事として価値あることだと思っている業務を、どれだけの時間で行うという生産性を意識した上で、自分の業務の中で、あまり価値がない、あるいは、必要性のなくなった業務をなくせるか?ということが重要だと思います。

それにしても、校長先生はどうなんでしょう?忙しいのでしょうか?

副校長・教頭の勤務時間が長いことの責任は、校長先生にもあるのですから、ご自分の仕事の分担を増やすとか、そうしないと、かわいそうですよ。

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